TOEICを初めて受験する方の中には、自分が何点を目指すべきなのか悩む方も多いのではないでしょうか?初めて受験する方、特に英語に自信があまりない方は、まずはTOEIC600点を目指すべきだとされています。
今回は、なぜTOEIC600点を目指すべきなのか、そして600点を取得するために必要な英語力、勉強法、おすすめの教材をご紹介いたします!
目次
なぜTOEIC600点を目指すべきなのか?
TOEICの600点は、履歴書にTOEICスコアを記載する際、アピールポイントとして役に立つ最低限のスコアとされています。
逆に言うと、600点未満だと英語の資格としてあまり機能するとは言えないでしょう。そのため、たった50点の差だとしても、550点と600点では印象が全く異なってしまうのです。
また、TOEIC600点は英語ができるようになるための最低限のベースが築かれた段階と言うことができます。
そのため、就職や転職、昇進などの自分のキャリアに役立てたい場合だけでなく、「英語で外国人とコミュニケーションを取れるようになりたい」「英語の本や映像作品を楽しめるようになりたい」というような、英語を生活の役に立てたい場合にも必要な最低限のスコアと言えるでしょう。
TOEIC600点取得のために必要な英語力とは?
次に、TOEIC600点を取るために必要な英語力について、スキル別に説明します!
リスニング力
TOEIC600点レベルのリスニング力を手に入れるには、海外のニュースや映画は聞くことは難しくても、大学入学共通テストや英検2級などで出題されるようなある程度長い英文を聞けるようになっておくといいでしょう。
リーディング力
TOEIC600点レベルのリーディング力を手に入れるには、大学入学共通テストの長文で8割正答できる、または英検2級の長文が安定して読める読解力を持っておくといいでしょう。
文法力
TOEIC600点レベルの文法力を手に入れるには、時制や品詞などの中学・高校レベルの基礎的な文法項目をしっかり理解しておくことが大切です。ただし、上級レベルの文法項目まで知っておく必要はありません。
語彙力
TOEIC600点レベルの語彙力を手に入れるには、約5,000語の単語を知っておくべきでしょう。これは、大学入学共通テストで7~8割正答できる語彙力、または英検2級に合格できる語彙力です。
5,000語の語彙力を得るには、まず高校卒業レベルの単語を身につけておくことが大切です。
ちなみに、TOEICでフルスコアを取得するために必要な語彙数は約10,000語と言われています。
TOEIC600点は上位何%?
ここでは、TOEICで600点を取得できた場合、全受験者の中でどのくらいの立ち位置になるのかを説明します。
TOEIC全受験者の得点分布を見てみましょう。
以上の表から、TOEIC600点を取得していれば、全受験者の上位40%くらいに入れることがわかります。
また、2021年度TOEIC実施回の平均点は551.2点(リスニング303.5点、リーディング247.3点)なので、600点は平均より少し上と言えます。
TOEIC600点は他の英語資格でいうとどのくらい?
次に、TOEIC600点は他の英語資格でいうとどのレベルに相当するのかを確認しましょう。
TOEIC600点と同等の英語資格は以下のとおりです。
- 英検2級
- TOEFL 42~71点
- IELTS 4.0~5.0点
これは、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1レベルに相当します。
CEFRとは、外国語の能力の基準として世界で幅広く活用されている基準のことです。A1~C2まであり、B1は上から4番目のレベルです。
TOEIC600点を取得するためにおすすめの勉強法
ここまで読んで、「TOEIC600点を目指してみたい!」と思っていただいた方も多いと思います。しかし、いったいどんな勉強をすればTOEIC600点を目指せるのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここからはTOEIC600点を取得したいみなさんにおすすめの勉強法をご紹介します!
まずは模擬試験で自分の実力を知る
まずは、模擬試験を解いてみて、自分の実力をチェックしましょう。
自分は今何点くらいを取れるレベルなのかを知れますし、自分が得意・苦手なパートを知るにもうってつけです!
学習スケジュールを設定する
本番の日数を逆算し、学習のスケジュールを立てておきましょう。
毎日どんな勉強をどのくらいの量学習するかを事前に決めておきましょう。
学習期間は少なくとも1か月はあるといいですが、理想は3か月ほどです。
パート別に対策する
次に、パート別に勉強を行いましょう。
前述の模擬試験で苦手なパートがわかったと思うので、特にそのパートを重点的に学習しましょう。
また、パート別の対策をある程度おこなったら、再度模擬試験に挑戦するといいでしょう。自分のスコアや英語力の伸びを実感でき、達成感を味わうことができますよ!
勉強を習慣化する
語学の勉強は、長時間の学習を1回だけ行うよりも、1日数分間の勉強を毎日続けるほうが効果的だとされています。
たいていの人は、単語や文法を1度覚えてもすぐに忘れてしまうものです。何度も繰り返し学習することで、次第に定着していくことができます。
そのため、1日10~20分でもいいので、毎日勉強する時間を作ることを習慣化させるのが大切です。
スキマ時間を使う
スキマ時間をなるべく使って、効率よく勉強するようにしましょう。
自分の1日の行動を振り返ってみると、通勤時間や湯船につかっている時間などのスキマ時間は案外たくさんあるものです。そういった時間をTOEICの勉強にあてるといいでしょう。
特に、単語や文法などは、短い時間にさくっと読めるような教材が多いので、スキマ時間の勉強にうってつけです。
比較的簡単なパートを重点的に対策する
特に英語に苦手意識がある方の場合、難易度の高いパートの対策に時間をかけても、難しすぎてなかなかスコアアップにつながらない可能性があります。
そのため、まずは比較的易しいパートから対策し、効率的にスコアが取れるようにしましょう。一般的に、Part 1, 2, 5が比較的容易だとされています。
Part 1, 2は短文のリスニング問題ですので、短い英語を聞いて即座に正解を導き出す力を身に付けることが肝要です。
Part 5は文法・語彙問題ですので、基礎的な文法項目や単語はきちんと覚えておくようにしましょう。
また、これらの基礎的な力を身に付けることは、より発展的なリスニング、リーディングをできるようになるための地盤作りになりえます。ここでしっかりと基礎を身固めておけば、この先600点以上を目指す場合にも大いに役立ちますよ!
特にリスニングに重点を置く
2021年度TOEIC実施回平均点がリスニング303.5点、リーディング247.3点となっているように、リーディングよりもリスニングのほうが得点が取りやすくなっています。
リーディングを完全に捨てるのはよくないですが、リスニングを重点的に対策することで、効率的にスコアアップができるでしょう。
TOEIC600点を取得するためにおすすめの教材
ここからは、TOEIC600点を目指して勉強するのにおすすめの教材をスキル別にご紹介します!
まずはこの2冊!
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集9』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
TOEICを主催している国際ビジネスコミュニケーション協会が出版している問題集です。
模擬試験が2回分収録されているので、まず自分の実力を測るのにうってつけの教材です。
また、問題は本番そっくりで、リスニングのナレーターすら本番と同じです。TOEIC頻出の単語がふんだんに使われているのも特徴です。
『【別冊模試・CD-ROM・音声DL付】はじめて受けるTOEIC L&R テスト 全パート完全攻略』(アルク)
パート別対策ができる問題集です。パートごとの攻略法から、試験当日の流れまで詳しく説明されており、TOEICをはじめて受ける人のための情報がすべて詰まっています。
また、模擬試験も1回分収録されています。
リスニング力を鍛えるならこれ!
『新形式問題対応 改訂版 CD2枚付 世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 1‐4 リスニング)』(KADOKAWA)
リスニングのPart 1~4の対策問題集です。
リスニング問題の傾向や頻出単語が取り上げられています。また、練習問題もそれほど難しくなく、解説も丁寧なので、英語に苦手意識のある人がリスニングの基礎力を身に付けるのに最適な一冊です。
『公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
リスニングに特化した公式問題集です。
1セット約20問×20日分という構成になっており、リスニングを集中的に勉強したい方におすすめの一冊です。
文法力を鍛えるならこれ!
『新形式問題対応 改訂版 世界一わかりやすいTOEICテストの授業(Part5&6 文法)』(KADOKAWA)
リーディングのPart 5と6でスコアを取るために知っておくべき文法項目についてわかりやすく解説されています。
問題数もそれほど多くないので、気軽に文法の勉強を始めたい方におすすめです。
『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』(朝日新聞出版)
Part 5と6の文法問題の対策問題集です。
1問1答形式となっており、スキマ時間に使いやすい教材です。
『【全英文音声DL付】TOEIC (R)L&Rテスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル』(アルク)
初心者でもわかりやすい丁寧な解説が掲載されています。
語彙力を鍛えるならこれ!
『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)』(朝日新聞出版)
徹底的な過去問分析をもとに選定された単語が収録された単語帳です。
おすすめの教材・学習サービス
ここからは、筆者がTOEIC900点を取る上で役に立ったサービスを厳選して紹介していきます。
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対策内容 | TOEIC L&R TEST対策/演習問題/英単語/文法/復習トレーニング/リスニング/リーディングほか |
月額料金(税込) | ・無料プラン ・有料プラン サブスクリプション1か月プラン:¥2,900/月 1か月プラン:¥4,900/月 3か月プラン:¥2,940/月 実践模試試験パッケージ:¥1, 500/90日 |
学習環境 | オンライン(iPhone/Android) |
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月額料金(税込) | ・¥3,278/月(App Storeからの申し込みだと¥3,700/月) ・6か月パック:¥3,058/月 ・12か月パック:¥2,728/月 |
学習環境 | オンライン(iPhone/Android) |
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月額料金(税込) | 33,000円(1カ月16,500円) |
学習環境 | オンライン |
まとめ
今回は、TOEIC600点とはどういったレベルなのかに加え、600点を目指す方におすすめの勉強法、教材をご紹介しました。
いかがだったでしょうか? ぜひご紹介した勉強法、教材を活用して、効率的にTOEIC600点に向けた勉強に励んでください!
600点より少し下の505点~595点レベルは、高校卒業までに学習する英語はある程度身に付いており、基礎的な単語は知っているレベルです。
たどたどしい英語でありながらも考えを言葉にできるようになったり、聞いたり読んだりしたことを理解できるようになり始めています。
ただし、ビジネスシーンで英語を使うのはまだ難しいレベルです。
英検の2級と同等のレベルと言えるでしょう。
600点より少し上の605点~700点レベルは、英語がある程度できると認められる一歩手前のレベルと言えるでしょう。
日常生活上のたいていの状況で、自分の考えをすらすらと英語で表現できます。また、聞いたり読んだりしたことを、自分が知っている単語や表現が使われている場合であれば、理解できるようになっています。
ただし、ビジネスシーンで英語を使うのはまだ難しいレベルです。
英検の2級よりは高く、準1級よりは低いレベルと言えるでしょう。