履歴書に書けるTOEICスコアは?企業が求めるスコアについても徹底解説!

TOEICは日本で最も受験者数の多い英語能力試験です。
TOEICには合格・不合格というものはなく、5~990点のスコアで自分の英語力が示されるのが特徴です。

この記事を読んでいる方のなかには、TOEICを受けたはいいものの自分のスコアがどのくらいの英語力を証明するのかよくわからなかったり、自分にはどのくらいのスコアが必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、TOEICの7つのスコア帯ごとに、それぞれがどれくらいの英語力を示すものなのか、また何点以上なら履歴書に書けるのか、どのような企業・職種がどのくらいのスコアを基準としているのかをご説明します!

目次

TOEICの平均スコア・スコア分布

まずは、TOEIC受験者の全体像を把握するため、TOEIC全受験者の平均スコアとスコア分布を確認しましょう。

 TOEICの平均スコア

2021年度の全受験者(団体受験含む)の平均スコアは以下の通りです。

リスニング303.5点
リーディング247.3点
合計550.8点

TOEICのスコア分布

次に、スコア分布を確認しましょう。

※2021年度の全受験者(団体受験含む)のスコアをもとに作成

もっとも人数の多いスコア帯は495~590点となっており、395~490点、595~690点がそれに続く形となっています。

895点以上を取得している人はかなり少なく、全体の約3%にすぎません。

TOEICの各スコア帯が示す英語力とは?

ここからは、TOEICの各スコア帯が示す英語力を、以下の3つの項目に分けてご説明します。

  • リスニング力
  • リーディング力
  • 英検との相対

TOEIC5~350点が示す英語力

まだ英語の基礎が身に付いていない状態です。
文法力や単語力は中学英語レベルで、まだ高校英語は身に付いていません。英語でのコミュニケーションもまだ難しいレベルです。
平均スコアを大きく下回っており、中学英語レベルしか身に付いていないことを示してしまうため、履歴書などには書かないほうがいいレベルです。

TOEICを主催する国際ビジネスコミュニケーション協会が提示している「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」におけるレベルD(通常会話で最低限のコミュニケーションができるレベル)もしくはレベルE(コミュニケーションがとれるレベルに至っていないレベル)に相当します。

リスニング力

簡単な単語での質問や、短文の会話の聞き取りをすることはできます。しかし、相手にゆっくり話してもらったり、繰り返してもらったり、言い換えをしてもらう必要があるときがあります。また、少しでも難しい単語が使われたり、長文になると聞き取りが難しくなります。

リーディング力

日常レベルの簡単な単語を読むことはできますが、少し難しい単語になるとわからなくなるレベルです。

英検との相対

英検4~5級と同等の英語力です。
ちなみに、英検4級は中学中級レベルとされています。

TOEIC350~495点が示す英語力

日常生活レベルの英語を理解し使えるようになってくるレベルです。
しかし、まだ履歴書などでアピール材料とするには難しいスコア帯です。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルD(通常会話で最低限のコミュニケーションができるレベル)に相当します。

リスニング力

簡単な短文での質問になら聞き取れるレベルです。しかし、相手にゆっくり話してもらったり、繰り返してもらったり、言い換えをしてもらう必要がある場合があります。また、聞いたことに対して自分の考えを伝えたり、複雑な質問に答えるのはまだ難しいです。
長文も部分的になら聞き取れますが、まだ聞いたことのある単語が耳に入るレベルで、全体的な内容は理解できないことが多いです。

リーディング力

基礎的な力は徐々に付いてきていますが、まだ高校中級レベルの文法や単語が身に付いておらず、それゆえリーディング力もまだあまりありません。
英語の広告や、大学入試共通テストの長文が読めるレベルといえます。

英検との相対

英検準2級と同等の英語力です。
ちなみに、英検準2級は高校中級レベルとされており、英語の基礎力と基本的な応用力が身に付いている状態とされています。

TOEIC500~595点が示す英語力

社会生活に必要な英語を理解し使用できるようになるレベルといえます。
特段英語ができると評価されることはありませんが、ビジネスで英語を使えるようになるための最低限のレベルとされているので、企業が新卒者や中途採用者に求めるスコアの平均となっています。
また、英語が苦手な方がまず目指すべきスコアがこの500~595点と言われています。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルC(日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができるレベル)に相当します。

リスニング力

一言一句くまなく聞き取るのは難しいですが、聞いたことのある単語や表現をもとに内容をある程度把握することができるレベルです。
短い会話の場合、だいたいの文脈を理解でき、内容が詳細にわかります。
長い会話の場合、内容が難しい場合も、聞こえてきた単語や表現からある程度推測して理解することができます。

リーディング力

高校2年レベル~高校卒業レベルの文法、単語は身に付いています。そのため、ある程度の長さの文章でも、文と文の情報を結びつけて内容を理解したり、知っている単語や文法をもとに簡単に内容を推測することができます。
また、表現力に乏しいところはありつつも、自分の考えを十分伝える能力があるレベルです。
ただし、分詞の形容詞的用法や仮定法、倒置法などの比較的難しい文法項目を含む文を読み解くのはまだ難しいです。

英検との相対

英検2級と同等の英語力です。
ちなみに、英検2級は高校卒業レベルとされており、実生活の様々な分野で英語を使える能力がある状態とされています。

TOEIC600~695点が示す英語力

社会生活で求められる英語を十分理解し使用できることができるレベルとされています。
平均点も超えており、ビジネスの場でも簡易的な業務を英語でできるレベルと言われているので、履歴書に書くと有利に働くことが多いでしょう。
ただし、国際系の仕事に就きたい場合はこのスコアではまだ難しいです。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルC(日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができるレベル)に相当します。

リスニング力

日常会話で難易度の高い単語が使用されていなければ、話の要点を正確に聞き取り、それに対し問題なく応答することができます。
ただし、難易度の高い単語が多々使用されている場合だと、短い会話でも主旨を理解できない場合があります。

リーディング力

基本的な単語はほとんど身に付いています。そのため、少し難しい単語が文中に出てきても、前後の文脈から推測して理解できます。また、複数の文の関係性を理解することもできます。
このスコア帯を目指す場合は、単語や文法の丸暗記にとどまらず、ビジネス文書にもある程度読み慣れて、難しい単語の意味も文脈から推測できるようになることが肝要です。

英検との相対

英検準1~2級と同等の英語力です。
ちなみに、英検準1級は大学中級レベルとさされています。

TOEIC700~795点が示す英語力

どのような状況でも英語で適切にコミュニケーションがとれるようになり始めるレベルといえます。日常会話なら完全に理解でき、多様な話題に対して応答もすばやくできるので、ビジネス上で支障をきたすことはほぼありません。
海外営業などの国際系の職種への就職、転職、昇進にもつながりやすくなるレベルです。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルB(どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えているレベル)に相当します。

リスニング力

聞いた内容を80%ほどは理解でき、また英語を逐一日本語に訳さず英語のまま理解できるようになります。
ただし、3人以上の会話やネイティブ同士の会話では、会話のスピード感や使われる単語の難しさについていけなくなることもあります。

リーディング力

文法力やリーディング力の素地がしっかりと築かれている状態です。不定詞や比較級、分詞の形容詞的用法、仮定法、分詞構文、丁寧表現などの比較的難しい文法項目もしっかり身に付いています。
また、短い時間でも素早く読解し、試験であれば正解をすぐに見つけることができます。

英検との相対

英検準1級と同等の英語力です。

TOEIC800~895点が示す英語力

幅広く社会生活で求められる英語を十分理解し使用できるレベルです。日常会話は完全に理解でき、多岐に渡る話題に対して素早く応答でき、ビジネス上でも支障をきたすことはまずありません。
ただし、コミュニケーションに支障はないものの、流暢さ・正確さには個人差が出る場合があります。
英語ができると一目置かれるレベルで、海外出張や海外企業とのプロジェクトに参加できるなど、キャリアの幅を広げるのに大きく役立てられる可能性があります。また、年収やインセンティブにもつながる場合もあります。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルA(Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができるレベル)〜レベルB(どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えているレベル)に相当します。

リスニング力

日常会話においては長さに関わらず、聞いたことの要点や目的を正確に把握することができます。難しい文法や単語が含まれていたとしても、文脈から内容を容易に推測することができます。また、テレビやラジオ、洋画、洋楽などでも、専門的な単語が出てこなければきちんと理解することができます。ビジネス上のコミュニケーションも問題なく行うことができます。
ただし、ネイティブ同士の会話だと、会話のスピードや独特な言い回しについていけなくなる場合があります。

リーディング力

文法力やリーディング力の素地がしっかりと築かれており、さまざまなテーマの新聞記事や雑誌記事、ネット記事、洋書などを抵抗なく読むことができます。また、多少知らない単語が文中にあったとしても、推測力で全体の内容を理解することができます。

英検との相対

英検準1級と同等の英語力です。

TOEIC900~990点が示す英語力

単語・文法を正確に使いながら流暢に議論ができるようになるレベルです。
英語での会議や通訳なしでの海外出張、海外赴任もできるようになります。
TOEIC受験者の上位1%に入る希少な存在なので、報奨金や資格手当が出る企業も多くあります。

「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではレベルA(Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができるレベル)に相当します。ネイティブスピーカーと遜色ないコミュニケーションをすることができます。

リスニング力

聞いた内容を日本語に訳すことなく、英語のまま正確に理解することができます。
ビジネス上でも問題なく聞き取ることができ、素早い応答も可能です。
ただし、ネイティブ同士の会話だと、会話のスピードや独特な言い回しについていけなくなる場合があります。

リーディング力

難易度の高い文法が身に付いています。そのため、高度な学術論文などでない限り、資料やビジネス書を、読み返すことなく即座に理解することができます。

英検との相対

英検1級と同等の英語力です。
ちなみに、英検1級は、持っていると通訳案内士試験の外国語(英語)の筆記試験が免除されるなど、とても高い評価を得ている資格です。

何点以上なら履歴書に書けるのか?

ここまでTOEICの各スコアの目安をお伝えしました。しかし、実際みんなは何点以上を取ったら履歴書に書いているのかを知りたい方も多いと思います。

そこで、TOEICを受験したことのある人に、TOEICのスコアは何点から履歴書に書いているかをアンケートした結果をお伝えします。

スコア履歴書に記載した割合
5~495点7%
500~595点24%
600~695点54%
700~795点7%
800~995点85%

5~495点の場合

5~495点を取得した方のうち、履歴書に記載したのはたった7%でした。

記載しなかった理由は以下の通りです。

  • 点数が低すぎるため恥ずかしい

逆に、自分のTOEICスコアよりも評価の高い英検2級を書いた人もいたようです。

500~595点の場合

500~595点を取得した方のうち、履歴書に記載したのは24%でした。

記載した理由は以下の通りです。

  • 志望した企業の採用条件にTOEIC550点以上が含まれていたため。
  • 今後の仕事で必要になったから。
  • エージェントのアドバイスに従って記載した。
  • 500点以上あれば記載して問題ないと聞いたことがあるから。

以上の理由から、500~595点が企業に採用されるために使える最低限のスコアだとわかります。しかし、それほど高いスコアでもないため、記載しないことのほうが多いようです。

600~695点の場合

600~695点を取得した方のうち、履歴書に記載したのは54%と半数以上でした。

記載した理由は以下の通りです。

  • 600点以上あると就職に有利になると聞いたことがある。
  • 600点あれば履歴書に書いてもマイナスになることはないと聞いた。
  • ついで程度に書いた。

600~695点は企業が求めるスコアの平均を超えるため、記載することが多いようです。

逆に記載しなかった理由は以下の通りです。

  • 英語を使う仕事ではないから。

700~795点の場合

700~795点を取得した方のうち、履歴書に記載したのは54%でした。
今回のアンケートでは、このスコア帯の方はすでに就職しており、自分の英語力を測る目的でTOEICを受験した方が多かったためにこのパーセンテージにとどまったようです。

800点以上の場合

800点以上を取得した方のうち、履歴書に記載したのはなんと85%でした。
800点以上を取っていれば、就職にかなり有利に働くからこそのパーセンテージと言えるでしょう。

各企業・職種が基準にしているスコアとは?

最後に、各スコアを採用基準にしている企業・職種を具体的にお伝えします!

450点以上パナソニック(主任)
470点以上AGC(課長補佐)
500点以上日本精工(係長・課長)
コマツ(課長)
クラレ(課長)
三菱電機(部長)
川崎重工業株式会社(プラント関係)
550点以上パナソニック(昇格候補者)
580点以上三菱商事(全社員昇格)
600点以上出光興産(新卒・中途)
王子製紙(新卒・中途)
三井物産(入社時)
トヨタ自動車(係長)
マツダ(課長)
日本アイ・ビー・エム株式会社(課長)
第一実業株式会社(営業)
日本オラクル株式会社(セールス)
日産トレーデイングジャパン株式会社(輸入貿易事務)
富士通(エンジニア・事業企画担当)
650点以上シチズンホールディングス(新卒・中途)
アサヒビール(新卒・中途)
佐川グローバルロジスティクス(新卒・中途)
ソニー(係長・課長)
ブリヂストン(開発企画職上級)
東芝機械株式会社(工作機械営業)
700点以上東京電力(新卒・中途)
NTT東日本(新卒・中途)
ファーストリテイリング(新卒・中途)
資生堂(新卒・中途)
ヤマト運輸(新卒・中途)
伊藤忠商事(入社4年目社員)
ファーストリテイリング(本部管理職)
三菱電機株式会社(営業)
三菱自動車(事務職)
マツダ株式会社(SE)
730点以上ソフトバンク(新卒・中途)
武田薬品工業株式会社(新卒・中途)
丸紅(入社5年目社員)
NTTコミュニケーションズ(新人の1年間派遣権利)
住友商事(入社11年目の管理職条件)
750点以上日産自動車(一般職)
三井物産(入社3年目社員)
丸紅(入社5年目社員)
800点以上楽天
野村不動産 (新卒・中途)
住友不動産(新卒・中途)
韓国ヒュンダイ(新卒・中途)
韓国LG(新卒・中途)
大阪ガス株式会社(国際会計)
株式会社コナミデジタルエンタテインメント(ゲームプランナー)
850点以上富士通(海外出張)
三菱商事(社内留学)
野村ホールディングス(グローバル型社員)
オーストラリア大使館(商務官)
900点以上韓国サムスン(新卒・中途)
パナソニック(国際広報担当)

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まとめ

今回は、TOEICの各スコア帯がどれくらいの英語力を示すものなのか、何点以上なら履歴書に書けるようになるのか、またどのような企業・職種がどのくらいのスコアを求めているのかをご説明しました。

いかがだったでしょうか?ぜひ自分の目標スコアを見つけて、英語の勉強に励んでください!

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