【海外駐在に必要な英語力とは】駐在を目指す人・決まった人・駐在中の人まで必見の内容を解説!

海外駐在に憧れたことはありますか?目指したことはありますか?

駐在先では英語でコミュニケーションをとりながら、バリバリと仕事をこなしキャリアアップに成功。交友関係も広がって、充実したプラーベート生活を送る。

このようなイメージでしょうか?

このイメージのような駐在員生活を送りたいなら「高い英語力」は必須です。この記事では以下のような方向けに、必要な英語力や勉強法をお伝えします。

  • 海外駐在を目指す人
  • 海外駐在が決まっていて、準備中の人
  • すでに海外駐在しているけど、英語力にまだ不安がある人

一方、英語力だけで海外駐在生活を円滑に送れるのでしょうか?よくある課題についても触れていきます。

この記事で速攻分かる内容!
  1. 海外駐在員に求められる英語力
  2. 海外駐在を円滑にするための英語勉強法

1. 海外駐在員に求められる英語力

ひとくちに英語力といっても駐在する国によって、求められるレベルはさまざまです。

英語ができないから目指せないとあきらめず、海外駐在を目標にがんばってみませんか。

ここからは国別で見ていきましょう。

北米、オセアニア、欧州の英語圏

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなどの英語圏では、間違いなく高い英語力が求められます。

またイギリス以外のヨーロッパ諸国でも、英語を流暢に話せる人は多いため、条件は同じだと思いましょう。

資格試験では、TOEIC860点以上、英検1級など。ただし、資格試験=会話ができる訳ではありませんので、目安として考えてください。

帰国子女、留学経験のある人は有利かもしれません。そのような経験がなくても、スピードの早い英語を聞き取れること、自分の意見をしっかりと伝えられる英語力があれば、留学は必須ではありません。

また、英語力だけで判断されるわけではありませんので、その他のスキルを磨くことも忘れずに行いましょう。

アジアの英語圏

フィリピン、シンガポール、インドなど英語が公用語になっている国では、欧米諸国ほどではありませんが、やはり高い英語力が求められます。

欧米の英語圏との違いは、人によって英語のレベルにばらつきがあること、複数の言語が公用語になっている国が多いので独特のアクセントがあることです。

例えば、フィリピンであれば英語とタガログ語の2種類が公用語ですので、タガログ語のアクセントの強い方もいます。日本人の英語が日本語っぽくなるのと同じですね。

とはいえ、グローバル企業で働くアジア圏の人の英語力はかなり高いので、TOEIC730点以上、英検準1級レベル、もしくはそれ以上の英語力が必要と思っておきましょう。

英語圏以外の国

南米やロシア、非英語圏のアジア、アフリカ諸国などでは、どうでしょうか?

英語も話せた方がいいと思いますが、現地の母国語を話せないと困ることも多くあるようです。

グローバル企業であれば、アジアの英語圏と同じような英語のレベルを目指しましょう。

そうでない企業で現地に駐在する可能性はそもそも低いと思われます。もしそのような駐在をすることになったら、英語よりも現地の母国語の習得に力を入れた方がいいかもしれません。

そのような場合は駐在する先の情報を確認して、まず何語を勉強するのか決めましょう。

現地にいれば英語は話せるようになる?

残念ながら答えは「NO」です。

毎日英語を聞いていれば、そのうちに話せるようになると思っていませんか?受け身の姿勢では、何年滞在しても劇的に英語力が伸びることは期待できません。

特に欧米の英語圏では、仕事では自分の意見を主張できなければ高く評価されませんし、プライベートでも笑ってうなずくだけでは、会話に興味がないと思われてしまいます。

積極的に勉強し、自信をもって会話に参加できる力をつけることが必須です。

言語能力だけでいいの?

海外駐在には言語能力だけで十分なのでしょうか?

滞在する国によって言葉が違えば、文化も違います。現地の文化や風習を理解しておくことも大切です。

仕事中でも世間話はしますし、文化的にタブーな話題もあります。

現地の政治、経済、宗教、歴史、芸能、習慣、季節ごとのイベントなど、幅広く情報をキャッチし、備えておきましょう。

もう一つ忘れてはいけないのが、今以上に日本のことを理解しておくことです。

日本人なんだから日本のことは全部知っていて当たり前だと思って質問してきます。あまりにも知識が乏しいと恥ずかしいですよね。

次の章からは、シチュエーション別に課題と勉強法をお伝えします。課題は、想定される課題です。

2. 海外駐在を目指す人向け:課題と勉強法

課題:英語力と志望動機

これから目指そうと考えている人は「英語力」が課題と感じている方が多いのではないでしょうか?

英語圏での駐在を目指すなら、1番の課題はやはり英語。次の英語勉強法を参考にしてください。

また上司に「なぜ駐在したいのか?」と聞かれた時に漠然と答えるよりも、明確な志望動機、目標、今後のビジョンが説明できた方がいいですよね。

自分のキャリア形成を考えて、英語以外のアピールポイントもしっかりと固めておきましょう。

英語勉強法:基礎の復習、TOEIC、多読・多聴

  • 基礎の復習

基礎ができていないと応用ができないと言われますが、英語も同じです。

英語の基礎は「発音、文法、語彙」です。個別にみていきましょう。

  • 発音

英語学習の中で、発音は二の次にしがちですが、スピーキングだけではなく、リスニングの基礎になることをご存知でしょうか?

理由を簡単に説明します。日本語の音は英語に比べて数が少ないので、日本語の音の基準では聞きとれない音がたくさんあります。自分で発音できる音は聞き取れるので、リスニングに有効と言われています。

ネイティブの発音ではなく、伝わりやすい発音を心がけましょう。プレゼンでは人前で英語を話すことになります。その時に自信をもって発表できたらいいと思いませんか?

  • 文法

文法は特にリーディングに欠かせません。Eメール、プレゼン、契約書など関連資料を読むにあたり、文法を知らないと読み間違いをしかねません。早く、正確に読解するには、中学、高校、大学受験に出てくる文法は最低限おさえておきましょう。

おすすめは文法書を1冊に絞って勉強することです。あれもこれも手を出すより、1冊決めて何周も読み返し、学んだ文法を使った英作文でより確実にします。

  • 語彙

駐在先の国にもよりますが、英語圏であればTOEIC860点レベルの語彙は必須です。目安では10,000単語と言われています。

何から始めていいか分からない場合は、文法書に載っている単語から始めましょう。知らない単語はしっかりと辞書で調べ、派生語(単語が変化してできた単語)もまとめて覚えるようにします。

語彙に自信がない人は単語帳を1冊こなすのもいいでしょう。その時、単語を書いて覚えるよりは、音源のあるものを選び、耳で聞いて、声に出して練習。文章での使われ方で覚えるのがおすすめです。

自分の仕事に関する業界用語があると思います。それも英語で言えるようにマスターしておきましょう。

語彙を増やすには時間がかかりますので、50〜100単語をピックアップし、それを1週間毎日やるなど、具体的な目標を立てて学習してください。

すぐに忘れてしまうので、コツコツ繰り返し行いましょう。

  • TOEIC

アピールポイントになるのがTOEICのスコア。

1章で述べたように駐在する国によって目指すスコアは違いますが、まだ受験したことがない人はまず600点を目指しましょう。

730点、860点と徐々に目標を上げていきます。いきなりハイスコアを目標とするよりは、文法や語彙の確認だと思って、段階的にスコアを上げていく方が現実的です。

  • 多読・多聴

アウトプット(話す、書く)に不可欠なのは、インプット(読む、聞く)です。

アプリなどでスキマ時間を使って、効率よくインプットしましょう。

自分の興味があるもの、自分の英語レベルと同等か少し低いものから始めるのがおすすめです。いきなり難しい内容では、挫折してしまう可能性が高いのでおすすめしません。

レベルが上がってきたら、おすすめはニュース。ビジネスの会話では政治や経済の話が出てくるのは珍しくありません。

また国によっては、その国で人気のスポーツや映画などの話題も知っておくと休憩時間の会話に役に立ちますよ。

3. 海外駐在が決まった人向け:課題と勉強法

課題:現地にとけ込める準備

海外駐在の辞令を受けて、実施に現地に赴くまでの期間は「約3か月」が一般的のようです。

引き継ぎ、引越しなど、その間にやるべきことはたくさんあります。

英語の勉強はできていると仮定して、この段階で必要なのは「現地にとけ込める準備」です。

1章でお伝えしたように、

  • 現地の政治、経済、宗教、歴史、芸能、習慣、季節ごとのイベントなどを知っておくこと
  • 日本についても同様に知っておくこと

加えて、国民性を理解しておくことも重要です。例えば、タイの人は人前で怒られることを非常に嫌がります。前任の駐在員がいれば、事前に確認しておくのが得策ですね。

いかに現地にとけ込めるかで、駐在生活の充実度が左右します。

日本の常識が通じないこともよくありますので、現地でトラブルにならないよう準備しておきましょう。

英語勉強法:実践を意識した会話練習、日常会話表現の習得

  • 実践を意識した会話練習

対面式やオンラインの英会話レッスンを利用して、アウトプット中心に進めましょう。

実践を意識しなければいけませんので、取引先や同僚との会話、電話対応、プレゼンなど具体的なシチュエーション別で練習するのが理想です。

ネイティブ講師のレッスンで、より伝わりやすい表現を学んだり、聞くだけの受け身にならないよう、積極的に質問をして英語を話すことへの抵抗を少しでもなくしておきましょう。

ジェスチャーや顔の表情の使い方など言語以外の伝え方も教えてもらえるとなお良いですね。

独学で不安という方は「英語コーチング」サービスも検討してはいかがでしょうか?

最近、よく聞くようになったこのサービスでは、目標に対して計画を立て、目標達成までをサポートしてくれます。

サービス内容が充実するほど費用が高くなりますが、3か月後の現地での生活を考えて、検討してみるのもよいでしょう。

  • 日常会話表現の習得

教科書に載っていないような日常会話表現が苦手という方は多いのではないでしょうか?

SNSなどで英会話講師が紹介していたり、ブログに書いていますのでスキマ時間を活用して、少しずつ表現を増やしておきましょう。

4. 現在、すでに海外駐在をしている人向け:課題と勉強法

課題:想像と現実のギャップをなくす

  • 英語力が追いつかない

現地で働き始めてこんな風に感じていませんか?

自分の英語がぜんぜん通じない、なんとか伝えたけど勘違いされている気がする、早すぎて聞きとれないから会話に参加できない、資料が多すぎて読みこなすのに時間がとられ本来やりたい仕事ができない、意見を求められることが多すぎて圧倒されてしまう、仕事はなんとか意思疎通できるけど食事会での会話についていけない、など

まずは肩の力を抜きましょう。次に自分の弱点、何ができていないのかを知ることが大切です。

人によっては、英語ではなく緊張しているだけかもしれません。基礎があるのに、いざ話そうとするとパニックになってしまうのが原因ということも。

冷静に今の自分の課題が英語そのものなのか、それ以外なのか、英語であれば何が弱点なのかを洗い出してみましょう。

  • 家族が環境に馴染めない

家族帯同で赴任する方も多いと思います。奥さんやお子さんが現地に馴染めないケースも少なくないようです。

日本人の駐在員が多い地域では、日本人コミュニティが存在します。日本語が話せるから大丈夫だと思うかもしれませんが、そこに馴染めない人、特に奥さんに多くいらっしゃるようです。

欧米社会では家族を大切にするのが当たり前です。日本以上に家族を意識することが多くなると思います。仕事だけではなく、プライベートも充実させるために、家族への気配りも忘れないようにしてください。

奥さんと子どもだけ早々に帰国してしまう、ひどいケースでは離婚ということもあるので、仕事で忙しく精一杯かもしれませんが、家族にも負担があることを理解しておきましょう。

英語勉強法:弱点別の対策で一つずつ課題を克服

すでに現地にいるのなら、自分の弱点を克服するしかありません。受け身のままでは解決しませんので、積極的に取り組みましょう。

  • ディクテーションとシャドーイングでリスニング強化

どちらも通訳や翻訳を目指す人が行う基本の学習方法です。多聴についてはすでにお伝えしました。それに対し、ディクテーションは「精聴」になります。

ディクテーション: 耳だけで音源を聞いて文字に書き起こす。

シャドーイング:音源を聞きながら輪唱のように追いかけて発音する。

学習するときのポイントです。

  • ディクテーション:細部までしっかり聞き取り、よく間違えるパターンを把握

なんとなく文字にするのではなく、徹底的に細部にいたるまで聞き取りましょう。弱くて聞きとれない音、そもそも発音されていない音、音がつながっている、音が変化してしまっている、と英語の音の特徴を文字と照らし合わせて確認します。学習を進めていくと、同じようなところで間違っているのに気づきます。それが自分の弱点ですので、そこを中心に学習を深めましょう。

  • シャドーイング:発音、リズム、イントネーションを真似し、意味を理解しながら発音

英語を発音するときに、自分流の英語で発音してしまう人がいます。これは絶対にやめましょう。聞こえてくる音源を完全コピーするのを目標にしてください。冠詞や前置詞などスペルの短い単語や、複数形や3人称単数のSなど、言いもらしがないように進めましょう。

  • 瞬間英作文でスピーキング強化

英語を話すとき、日本語の語順や感覚で作文していませんか?

日本語は話す時に「全部言わなくてもなんとなく分かるよね?」と相手が察してくれることを前提としています。

一方、英語は主語、動詞から始まり、伝えたい情報を明確に言葉で表現します。もちろんTPOに応じた表現もあるし、間接的な表現もありますが、日本語以上に情報量を多く伝えなければいけません。

日本の感覚のまま英語を話すと勘違いを招いたり、コミュニケーションがうまくいかず人間関係にまで影響してしまうこともあります。

文法や語彙も大切ですが、瞬間英作文ではテンポよく、短い文章で的確に伝えることを1番の目標にしましょう。

ミーティング、電話、プレゼンなどシチュエーション別に練習したり、日頃ふと思いついたことを英語してみたり。独り言を英語にするのもおすすめです。

実際の会話で気になったフレーズは、スマートフォンでメモしたり、音声録音して後から復習してみましょう。

  • 精読でリーディング強化

多読についてはお伝えしましたが、この段階でやるべきは「精読」です。

正確に理解をしなければなりませんので、辞書を活用して丁寧に読み進めます。

時間はかかりますが、その価値は十分にあります。

丁寧に読み解くということは必然的に文法や語彙が強化されるので、積み重ねることで自然と読むスピードが上がっていきます。しかも、同時にリスニングやスピーキングも強化されます。

和訳するのではなく「英語の語順のまま理解する」ことが目的です。

そうすることで、リスニングでも同じように聞いた順番に理解できるようになり、スピーキングでは自然と英語の語順で組み立てられるようになっていきます。

  • オンライン英会話を活用(ご家族にもおすすめ)

仕事中に英語に関する質問をすることはなかなかできませんよね。

英会話レッスンでは生活の中で気になったことをまとめて質問できますし、プロのアドバイスが聞けます。費用はかかりますが、自信がつくまでに必要と思ったら活用しましょう。

また、自分だけではなくご家族にもすすめてみてはいかがでしょうか?

家族が家にこもりがちであれば、家族以外の人と話す機会にもなります。ネイティブ講師だけではなく、日本人講師もいますので、ニーズやレベルに合わせて利用してください。

  • おまけ英語を話す時に緊張してパニックになる方へ

緊張を和らげる方法はいくつかありますが、1番のおすすめは「大失敗する」ことです。

嘘かと思うかもしれませんが、筆者も英語には自信があったのですが緊張するタイプで、数々の失敗を体験して最終的に吹っ切れました。

失敗しない人間はいませんし、成功体験だけではなく失敗体験で人は成長できます。失敗せずに英語が話せるようになれば理想ですが、おそらく無理です。

おすすめは失敗ではなく「大失敗すること」です。その時は恥ずかしいし、トラウマになってしまうかもしれませんが、きっと笑い話になります。自分は大失敗だと思っても、案外まわりの人はそんな風に思っていないかもしれません。

一点忘れてほしくないのは、どうやって伝えれば「相手が理解できるか」を考えて、必死で伝えることです。

会話で大事なのは「伝える」ことです。

ありがちなのが、言いたいことを自分目線で話してしまうこと。相手目線で考えて最初はゆっくりでいいので、丁寧に話すようにするといいです。

分からない時は笑ってごまかさず、分からないと素直に伝えましょう。あなたの言っていることを理解したいという姿勢を見せるのがポイントです。

おすすめの教材・学習サービス

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まとめ:必要なのは英語力だけでない。その他の知識や技術も必須!

海外駐在員に必要な英語力や勉強法がお分かりいただけたでしょうか?

英語力だけでは海外駐在員には選ばれないし、選ばれたとしてもそのキャリアを成功に導くことはできません。

英語はコミュニケーションツールです。海外で働いてみると分かりますが、英語ができることは特別ではないのです。

駐在期間中に功績をあげるには、その英語力をベースとして、高いコミュニケーション能力、専門性、技術力が問われます。また個性がないと埋もれてしまいます。

日本人らしさを武器にすることも重要です。日本人にしかできない発想、日本のおもてなしやきめ細かなサービス、高い技術なども活かし、成功を目指しましょう!

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