- TOEIC満点をとるってすごいことなの?就活や転職に有利になるのかな?
- TOEIC満点なんて、難しいのでは?
就職や転職をするとき、英語の資格試験で何を思い浮かべますか?
さまざまな資格試験がありますが、最初に「TOEIC」と思った方は多いのではないでしょうか。
TOEICでハイスコアの人に会うと、すごいな、うらやましいな、自分には無理かも、などと思う人もいると思います。
TOEICを実際に受けたことがなければ、そのすごさや難しさは、なかなか理解できないですよね。
まさに今、就職や転職活動をしている方、転職を考えている方、「TOEIC990点」と履歴書に書いてみたくありませんか?就職したい会社からの評価が気になりませんか?
ここでは、就職・転職活動中で、TOEIC受験を考えている人向けに、以下の内容をお伝えします。TOEIC満点までの目標設定にお役に立てればうれしいです。
- TOEICのスコアの見方、難易度
- TOEIC満点の就職・転職へのメリット
- TOEIC満点に必要なレベル、勉強時間
目次
1. TOIECスコアの計算方法
TOEICの満点は990点!なぜ1000点ではないの?
「990点満点」は中途半端な数字だと思いませんか?ここではその理由をお伝えします。
もし、1問5点であれば、TOEICは200問出題されますので、単純な計算では1000点満点になるはずです。ですが、実際のスコアは10点~990点。0点もいないんですね。
- リスニングパート 100問/5点〜495点
- リーディングパート 100問/5点〜495点
TOEICはテストごとに内容が違います。やはりテストによっては難しい、簡単といった差が出てきます。これは仕方のないことですが、単純計算されたら受験者にとっては不公平ですよね。
この不公平さをなくすため、試験の結果に統計的な処理を加え、スコアを計算しています。
この複雑な処理のおかげで、テストごとにばらつきが出てしまう、難易度によって変わってしまうことを防ぎ、スコアの公平さが保てているのです。
誰がいつテストを受けても、不公平にならないようにスコア計算されています。
TOEICスコアの計算方法は非公開です。また、正答率が低すぎる場合、その問題はスコア計算から除外されるようです。
全問正解しなくても満点になるって本当?
スコアの計算方法が複雑で、単純な加点方式ではないことが分かりました。
ということは、こういう見方ができます。
テスト内容が簡単すぎる:全問正解しても満点にならない場合がある
テスト内容が難しすぎる:全問正解しなくても満点になる場合がある
今までの傾向から簡単すぎるということは考えにくいので、
全問正解しなくても満点がとれる
ということが言えます。
- リスニングパート:93〜98問
- リーディングパート:95〜100問
テストごとに内容も難易度も違うため、この数字はあくまで目安です。ですが、全問正解しなくても満点がとれると考えたら、少し気持ちが楽になりませんか?
2. TOEIC満点をとる人数は?その割合は?
TOEICで満点をとっているのが何人くらいで、受験者の何パーセントなのか、見ていきましょう。きっと驚きますよ。
TOEICを運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会」は正式な数字を発表していないので、確実な人数を把握することはできません。
ここでは、協会が発表しているデータから計算してみました。
2022年11月20日午後の部のTOEIC受験者数を見てみましょう。
受験者数合計 | リスニング470点以上 | リーディング470点以上 | トータル895点以上 |
---|---|---|---|
31,770人 | 1,279人 | 276人 | 1,042人 |
リスニング・リーディングともに満点をとらないと、合計でも満点にはなりません。つまり、このテストでの満点はリーディングで470点以上をとった「276人以下」になります。
満点は495点です。470〜495点の間には以下の「6パターン」のスコアが存在します。
470点・475点・480点・485点・490点・495点
先程のリーディング470点以上の「276人」を単純にスコアの「6パターン」に平均して分布すると(276を6で割る)各スコアには「46人」いることになります。これをパーセンテージにすると「0.14%」。
しかし、この6パターンのスコアの中でも495点満点をとるのは、かなり難しいと言えます。よって、仮に「46人」のうち3分の1くらいと仮定すると「15人」程度。これをパーセンテージにすると
0.05%!
1パーセントどころか、0.1%にも満たないことが分かります。
1回のTOEIC試験での満点者は約15人!
パーセンテージにすると約0.05%!
※ただし、この数値は参考記録として考えてください。
3. 英検と比較して難易度を知ろう
TOEIC以外の英語の資格試験といったら何を思い浮かべますか?
英検、TOEFL、IELTS、CASEC、国連英検など
細かく見ていくとキリがありませんので、ここでは英検(実用英語能力検定)と比較してみます。
TOEIC公式ウェブサイトでも確認できる「CEFR」と言われる基準での、TOEICの位置付けです。
TOEIC公式ウェブサイトより (リンクなし)
正式名称:Common European Framework of Reference for Languages
ヨーロッパで主流の言語の評価基準です。テストではなく基準なので、英検やTOEFLなど異なる英語のテストを直接比較するよりも分かりやすく、正しく判定できると言えます。最近では日本国内でもこの基準を採用する動きが出ています。
上記の表を見るとTOEIC満点(990点)は「C1」レベルに相当します。これは英検1級と同じレベルです。
TOEICの「PROFICIENCY SCALE(TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)」によると860点以上のスコア保持者は
Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。
英検1級の審査基準は
広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。
以上のように定義されていますので、TOEIC満点となれば、非常に高いレベルの英語力を持っていると言えます。
難易度は高!
TOEIC満点は簡単にとれるとは言い難いですが、難易度と同じく、その価値も高いですね。
4. TOEIC満点は就職・転職に有利?
ここまでで難易度が高いことが分かりました。つまり、それなりの努力をしなくては満点はとれないということです。
ここからは満点をとる価値や必要性はあるのか、また就職や転職にあたってどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
TOEIC満点を目指すのがいいのか悪いのか迷っている方、TOEICの勉強に行き詰まりを感じている方の参考になれば嬉しいです。
TOEIC満点は就職・転職では有利になる!
結論から言うと、TOEIC満点は有利です。
特に、外資系企業、グローバル企業での就職、海外赴任を希望している、海外での就職を目指している方は、満点ではなくてもTOEICハイスコアは必須です。
以下のような背景があることを知っておきましょう。
- 募集要項にTOEICの点数を求める企業がある。
- 求人の条件にTOEIC600点以上などとスコアを指定する企業がある。
- 大手企業では昇進時や海外赴任の条件として、基準スコアを満たすことが必須。(基準スコアは企業によってさまざま)
自分のキャリア形成を考えたときに、海外を視野に入れている方は有利になることは間違いないようです。
次に「990点満点をとる価値や必要性があるのか」という点について見てみましょう。
海外赴任の条件としてはやはり700点以上、企業によっては800点以上を求める会社もあるようです。
TOEICのレベル表を見ても一番高いレベルAが860点以上となっていますので、まずは860点を目指してみてはどうでしょうか?
TOEIC990点をとるにはそれ相応の努力が必要です。「それだけ努力ができる人」という評価がもらえることでしょう。
しかし、TOEIC990点だからといって、就職や転職が100%成功するとは限りません。
企業が人材を探すときには、英語のレベルだけではなく、人柄、コミュニケーション能力、英語以外の知識や技術なども評価しています。TOEICの点数はその一端にすぎません。
自分のキャリア、就職したい会社が求める英語のレベル、自分がどこまで頑張れるかなどを自己分析して、目指す点数を決めましょう。
- TOEIC満点、もしくはハイスコア(860点以上)は就職・転職に有利。
- TOEIC満点でも過信は禁物。TOEICの点数以外にも評価されるポイントはたくさんある。
TOEIC満点を目指すことで英語の基礎固めができる。そして自信につながる。
TOEICはビジネス英語のテストですが、基礎ができていないとハイスコアは狙えません。
英文法、発音、語彙力など、今までなんとなく理解していたところを、確実に理解することが求められます。その上でテスト対策を講じなければ、ハイスコアは無理だと思いましょう。
基礎がしっかりしていると何がいいのでしょうか?
プロのアスリートが基礎トレーニングを大切にしていることをご存知でしょうか?基礎がないと、いいパフォーマンスができないそうです。
英語でも基礎がしっかりしていれば中級、上級と英語のレベルが上がっていった時に、伸び悩みが少ないのです。
TOEICのテストでも、基礎があれば迷いなく正確に答えることができますし、結果的にスコアアップだけではなく、英語力の底上げになります。
基礎があれば自然と自信につながっていくのが想像できませんか?
TOEIC満点をとることでフリーランスで働くきっかけになる?
TOEIC満点を武器にフリーランスを目指すのも、一つの考え方です。
最初の章で満点をとる人数のお話をしました。難易度が高いので、それを武器にTOEIC専門講師や英会話講師など、フリーランスで働く可能性が生まれます。
英会話学校に就職するとしても、自分が努力してきたノウハウを売りにすることができます。
企業への就職だけではない道が開けるというのも、TOEIC満点のメリットですね。
5. TOEIC満点に必要な英語レベルを確認しよう
以下の4項目でTOEIC満点に必要な英語レベルを確認していきましょう。
- 英文法
- 語彙
- リスニング
- リーディング
英文法
TOEIC満点と同じレベルの英検1級の目安を見てみると
大学上級程度
となっています。
800点以下であれば中学、高校の文法で十分なのですが、満点を目指すレベルとなると問題を見て瞬時に分かるレベルが求められます。
特に後半のリーディングパートで、文法ができていないと読みきれない、時間が足りないなど問題が出てきます。
- 中級以上をターゲットにした文法書を何度も繰り返し読む。
- 公式問題集で問題の傾向をつかみ、特にPart5の文法問題では、問題文をぜんぶ読まなくても解答できるようにする。Part6、Part7では文法が理由でリーディングのスピードが落ちないようにしておく。
語彙
10,000単語
TOEIC満点に必要だと言われている必要な語数です。
ちなみに英語ネイティブは10歳くらいで10,000語程度を取得しているそうです。TOEIC満点に必要な語彙とは中身が違いますが、驚きですね。
英語ネイティブの一般成人で20,000〜30,000語、大学卒業レベルになると40,000語以上とも言われています。
TOEIC860点以上の
Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる
このレベルを目指すには、それなりの語彙力が必要ですね。
- 公式問題集に出てくる単語はすべて制覇。
- TOEIC満点を目指すなら「TOEIC L&R TEST 出る単特急金のフレーズ」に出てくる990点レベルの単語までしっかりとおさえる。
リスニング
TOEICリスニングパートには、以下の5カ国の人がスピーカーとして登場します。
アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド
スピードはネイティブスピーカーの普通レベル。
上記のことから、アクセント(なまり)に左右されず、英語音の特徴(リンキング、サイレント、変化など)も理解して、聞き取れるレベルが必須です。
また、最近の問題傾向でビジネス会話だけでなく、日常会話も出題されることがあるので、口語表現も知っておく必要があります。
- ディクテーションやシャドーイングで、徹底的に英語の音を理解。シャドーイングでは完全にコピーできるくらいを目指す。
- どうしても伸び悩む人は、自分の発音を見直してみる。自分で発音できる音は聞こえますよ。
リーディング
2章で触れたようにリーディングの方がハイスコアをとるのが難しいというのが分かります。
2022年11月20日午後の部:
リスニング470点以上 1,279人 / リーディング470点以上 276人
満点を目指す人なら、文法に問題はないだろうし、単語もたくさん知っているはずなのに、なぜリーディングの方が難しいのでしょう?その理由は
短時間で正確に読解し、設問に答えなければいけない
リーディングパートでは、75分間で100問を解かなければいけません。単純に計算して1問を45秒で解くことになります。この45秒には出題文を読む時間も含まれます。
リーディング後半にはトリプルパッセージといって、読み物が3種類あり、さらに5問に答えなければいけません。つまり、4分以下で3つの読み物を読んで解答するということです。
とにかく速読、しかも正確に読み解く力が欠かせないのがリーディングパートです。
- 公式問題集で苦手なタイプの出題形式を把握。それを中心に学習。
- TOEIC以外の読み物も読むようにし、一定のスピードで読めるようにする。
文法や語彙があってのリーディングです。基礎が大切なのが分かっていただけたでしょうか?
6. TOEIC満点に必要な勉強時間は?
TOEIC満点レベルの英語力を身につけるには、いったいどのくらい勉強すればいいのでしょうか?
Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)が、TOEIC講師向けに作成したガイドブックに掲載されている表です。
表の一番右、950点を参考に見てみましょう。
“Current Score”は現在のスコアです。受験したことがある方は、自分のスコアに近いところを確認してください。
満点に一番近い850点を例にしてみると、「325時間」必要です。
1年365日ですので、「1日1時間」勉強しても1年近くかかることになります。
すでに950点くらいのスコアがあれば、その半分くらいの半年といったところでしょうか。
現在のスコアが低ければ、当然のことながらたくさん時間がかかります。
950点レベルでも、1日1時間の勉強で半年近くかかるということは、かなりの勉強時間を確保する必要がありますね。
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ここからは、筆者がTOEIC900点を取る上で役に立ったサービスを厳選して紹介していきます。
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まとめ:就職・転職にTOEIC満点は必要?
最後まで読んでいただき、ありがとうざいます。
TOEIC満点のすごさ、難易度、メリット、必要なレベルがおわかりいただけたでしょうか?
学生のころ、100点満点をとる生徒が何人いたか思い出してみてください。
TOEIC満点も同じように簡単ではありません。
就職や転職のためのTOEICスコアで考えた場合、必ずしも満点である必要はないと思います。
希望する職種によっては900点以上のハイスコアがメリットになることもあるし、TOEIC講師として独立するなら満点をとる価値は十分にあります。
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- 満点に固執しないで、自分の目標に応じてターゲットスコアを決めるのがベスト!